こんにちはSATOです。

新入生の部活動登録も終わり、一昨年来、コロナのせいで自由に活動できなかった在校生も含め、必死で練習に臨む高校生が目に浮かびます。

体罰や指導ではなく”いじめ”

しかし、先週20日金曜日に熊本県の高校で起こった事件やその後の動向を見て、「いつの時代の話?」と非常に残念な気持ちになりました。“大人(コーチ?)が生徒を殴る、蹴る”の映像を見ましたが、どんな理由があれ100%指導者失格というのが私の感想です。4年前の「日本大学ラグビー部」の事件から、指導者の質が全く上がっていないとも感じました。

指導者・顧問の人格が子どもや部活動そのものを育てる

私自身、中学・高校と部活動に明け暮れていました。中学時代は小学校から続けていた野球部に入り、2年生で転向した中学には野球部がなかったため、サッカー部に入りキャプテンを務めていました。当時のサッカーはJリーグ創設前で、不人気部活・ヤンキーの巣窟の筆頭でした。私が入部したのも、前年、部室での喫煙からラグビー部が廃部になった後、残りのメンバーを引き継いだ怪しい部活でした。たまたま、毎日練習に出てくる私が、ルールも知らずにキャプテンになったわけですが、顧問の先生はサッカーそのものを楽しめるように、できる技術を一つずつ身につけさせ、トレーニングの目的やチームプレーを重視し、指導して下さいました。(練習試合で行った中学校で、うちのヤンキーと校舎裏に連れて行かれたこともありますが)

何て生意気な高校生だったのか…(笑)

高校は剣道部に所属していました。2・3年生を社会人OBと間違えるほど、おっさん臭く、非常に古臭い部活動のイメージでしたが、実は全く封建的ではなく、人材育成の場としてとても信頼できる部活でした。「達人」が週1回練習に来てくれましたが、練習を構成し、指導にあたるのは全て上級生という部活動で、練習にスモールステップ法を取り入れ、「個人が考える練習」を実践していました。途中から、剣道経験者で別の高校で顧問をしていた先生が転勤されてきましたが、私たちの運営に賛同してくださり、同期の1年生と同じように練習に加わっていました。今思えば、職員室まで行って、「1年生と同じ扱いをします。」なんて言いに行くとは、なんとも生意気な高校生でした。と同時に、人間的にかなり成長できた期間だったと思います。

昔も今も、部活動は多くの高校生の中心にある

多くの高校生にとって、部活動は生活の中心となっているものであり、同時に部活動にとっては指導者が欠かせない存在です。しかし、運動部、文化部を問わず、無意味に長い練習をしたり休みのない部活動では怪我人も多く、部員が恫喝されて顧問の顔色を窺うだけで成長に繋がっていない。そのような部活動が数多く存在していることを見知っています。だからこそ、本当の意味で自己鍛錬できる環境を作ってあげなければなりません。

保護者の皆さんも、お子様が所属している部活動について詳しく把握しておきましょう。私はかなり恵まれた環境で部活動を行っていましたが、無理やり続けさせる必要もありません。推薦入試に必要なのではないかと言う保護者もいらっしゃいますが、面接で話す内容が豊富になる程度です。実際にお子様から話を聞き、「やめたい」「怪我した」という報告に対して、思うとおりにアドバイスしていただいて構わないと思います。ただし、「なんでうちの子がレギュラーじゃないの?」なんて的外れの文句を学校に言うのはやめておきましょうね。

 

注)現在、文部科学省は高校生の部活動を『週1日以上の休み、活動時間は平日2~3時間』とし、各高校に要請しています。