8都道府県を除く39県の緊急事態宣言が解除されましたが、ここ神奈川県は該当せず、各高校の休校も5月31日まで継続する見込みとなっています。学年末テストの直前に始まった休校が、春休みや登校日を挟みながら約3か月続き正式な授業が1回も行われていません。GW前の調査では、各高校の対策は双方向のオンライン授業の実施率は非常に低く、プリントの配布や配信による課題がほとんどでした。その後、GW明けからは授業動画の配信を行っている高校も増えてきましたが、双方向でないことはもとより、高校間による取り組みの差異は依然として残っています。このような状況の中で、6月以降の授業や進学に関しては正式な発表は出されておらず、前回のブログで触れたように、「9月入学」の実現化へ向けての議論が様々なメディアで盛んになってきました。
この「9月入学」に関しては、「学生」「学校」「家庭」「法律」「経済」といった多方面からの検討が必要になり、少なくとも7月以前に結論を出さなければ実現できないものと思われますが、何よりも「学生」、特に高校生の目線を重視し、そのメリットとデメリットを考えていきたいと思います。
まずメリットですが、9月から新学年をスタートした場合、ここまでの休校期間で行われなかった授業の遅れを取り戻すことが可能です。今後、自粛期間がさらに伸びたり、第2波や再発があったとしても、学校側も今以上にオンライン授業などへの準備が可能になります。当然、大学入試に関しても十分な時間を確保できるため、地域や学校ごとによる差異を解消できる受験生にとっては大きなメリットと考えられます。ただし、こういった環境にかかわらず、自ら学習に取り組んできた受験生にとっては、必ずしも喜ばしい政策とは言えないでしょう。
それに対して、高校生の視点からのデメリットは非常に少なく、国や自治体の政策そして家庭の経済状況が許せば、もう一度新学年をやり直せることになります。
今年の受験生は、大学受験改革による「共通テスト」の導入や英語外部検定の導入に関しての問題、そして今回のコロナによる休校など、勉強そのものに集中できない環境の中がんばっています。部活動や学校行事も含め全てを通常に戻すことはできませんが、高校最後の学年を1年間通して過ごすことに意味があると思います。
まずは、5月31日まで気持ちを強く持って乗り切りましょう。
がんばれ高校生!