【数字で見る併願ねらい目2026 #06】神奈川大学|入学者を615人減らした翌年、2027年度はどう動く?

こんにちは、運営責任者のマツダです。

在籍している学生の数から、併願の「ねらい目学部」を探すシリーズ「数字で見る併願ねらい目2026」。第6回は、神奈川大学です。

神奈川大学は、横浜キャンパス(横浜市神奈川区)とみなとみらいキャンパス(横浜市西区)に11学部がある、県内を代表する私立大学の一つです。教学舎の生徒や保護者の方にとっても、なじみのある大学だと思います。

先に結論をお伝えします。

  • 神奈川大学は、2025年度に入学者を4,945人と多めに取ったあと、2026年度は4,330人まで、615人減らしました。
  • この春は4年生が4,852人卒業する予定です。今年と同じ人数を入学させても、来年の充足率は大学全体で約1.06まで下がる計算で、マツダは「2027年度入試で、今年より入学者を絞る学部はほぼない」と予想しています。
  • 学部別に見ると◎や○はなく、△が4学部。その中でも、2026年度に入学者を大きく減らした国際日本学部と理学部に注目しています。

はじめて大学受験を迎えるご家庭にもわかるように、言葉の意味から順番に説明していきます。

この記事でわかること

  • 2026年度に入学者を615人減らした理由と、来年の見通し
  • 大規模大学の「定員のルール」から見た、来年の見通し
  • ねらい目の国際日本学部・理学部と、注意したい学部
  • 入学者の6割以上が使う年内入試と、適性検査型・給費生試験
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目次

まずは言葉の確認:「定員」と「充足率」

大学には、国(文部科学省)に届け出た「定員」があります。

  • 入学定員:1年間に入学させる予定の人数
  • 収容定員:入学定員×4学年分。大学全体で在籍させてよい人数の目安
  • 定員充足率:今いる学生の数 ÷ 収容定員。1.00なら定員ぴったり、1.10なら定員より1割多い状態

大学は、学生を定員より多く入学させすぎると、国からの補助金を減らされたり、もらえなくなったりします。そのため、学生が多くなりすぎた大学は、翌年に合格者を減らして調整します。

このシリーズでは、次の2つの数字を見ています。

① 定員充足率

1.00に近い(またはそれ以下の)学部ほど、合格者を絞る必要が小さくなります。

② 4年生 ÷ 1年生

4年生が多い学部ほど、この春の卒業で空く席が大きくなります。

判定意味
◎充足率に余裕があり、卒業で空く枠も大きい。今年いちばんのねらい目
○どちらかの数字にはっきり余裕がある
△やや余裕あり
-標準〜やや厳しめ

※ 点数:充足率 1.00以下=3点、1.05以下=2点、1.08以下=1点。4年÷1年 1.20以上=2点、1.10以上=1点。合計4点以上が◎、3点が○、2点が△です。

神奈川大学は「大規模大学」。ラインは1.10倍

前回までの記事でも紹介してきましたが、補助金がもらえなくなる充足率のラインは、大学の大きさで変わります。

大学の規模(収容定員)補助金がもらえなくなるライン
8,000人以上(大規模)1.10倍以上
4,000〜8,000人(中規模)1.20倍以上
4,000人未満(小規模)1.30倍以上

神奈川大学の学部の収容定員は、学科ごとの数字を合計すると17,340人。前回の専修大学と同じく大規模大学なので、ラインは1.10倍です。

※ 文部科学省「私立大学等経常費補助金」の取扱いより。

神奈川大学の全体像

項目数字
収容定員(学部)17,340人
在籍している学生18,878人
定員充足率1.09
1年生4,433人
2年生5,130人
3年生4,463人
4年生4,852人

在籍している学生で計算すると、充足率は1.09。ライン1.10のすぐ手前です。ただ、国の判定では留年している学生などを除いて計算するので、実際の数字はこれより少し低くなります。

学年ごとに見ると、2年生だけが飛び抜けて多いことに気づきます。今の2年生は、2025年度に入学した学年です。この年、神奈川大学は入学者を4,945人と、過去5年でいちばん多く取りました。

※ 学年別の人数は横浜キャンパスとみなとみらいキャンパスの合計です。学年別の人数には留年している学生も含みます。

入学者数の推移:2025年度に多く取り、2026年度に絞った

年度20222023202420252026
入学者数(人)4,4764,6034,5864,9454,330

2025年度に多く入学させた分、大学全体の学生の数が増えたため、2026年度は入学者を615人減らしました。2026年度の入学者4,330人は、2027年度の募集人員(4,335人)とほぼ同じ、つまり「定員ぴったり」まで絞ったことになります。

前回の専修大学と、とてもよく似た動きです。

出典:神奈川大学公式「学部生数」(2026年5月1日現在、入学者数推移を含む)、「募集人員(2027年度)」

では、2027年度入試はどうなる?

2026年度と同じ人数を来年も入学させ、今の4年生が全員卒業したとして、来年の充足率を学部ごとに計算しました。

学部キャンパス今の充足率来年の充足率(目安)
法学部横浜1.091.05
経済学部横浜1.081.03
人間科学部横浜1.081.09
理学部横浜1.131.06
工学部横浜1.101.10
建築学部横浜1.091.09
化学生命学部横浜1.011.09
情報学部横浜1.021.04
経営学部みなとみらい1.111.06
外国語学部みなとみらい1.101.05
国際日本学部みなとみらい1.111.04
大学全体1.091.06

※ 留年がないとした場合の目安です。在籍者数には募集を停止した学科の学生も含まれるため、学部によっては実際より高めに出ています。

大学全体では約1.06まで下がり、ほとんどの学部がラインを下回ります。工学部だけが1.10ちょうどになりますが、実際の判定では留年している学生などを除くので、もう少し低くなります。

つまり、今年と同じ人数を合格させても、ほとんどの学部が定員のルールに収まる計算です。マツダは「2027年度入試で、今年より入学者を絞る学部はほぼない」と予想しています。

ただし、神奈川大学は大規模大学でラインが厳しいため、2025年度のように「大きく増やす」ことまでは期待しすぎないほうが安全です。

学部別データとねらい目判定

全学部を「ねらい目の順」に並べました。「入学者の増減」は2025年度→2026年度です。

判定学部キャンパス充足率1年生(人)4年生(人)4年÷1年入学者の増減(人)倍率
△国際日本学部みなとみらい1.112723591.32−1205.6倍
△理学部横浜1.132623321.27−973.1倍
△情報学部横浜1.022101900.90±03.2倍
△化学生命学部横浜1.012111480.70+12.4倍
-経営学部みなとみらい1.115336381.20−904.6倍
-経済学部横浜1.089081,0831.19−1404.0倍
-法学部横浜1.096096981.15−863.3倍
-外国語学部みなとみらい1.103564151.17−403.4倍
-建築学部横浜1.092111920.91−554.1倍
-人間科学部横浜1.083713540.95+513.5倍
-工学部横浜1.104904430.90−392.3倍

※ 充足率は在籍しているすべての学生で計算しています。倍率は2026年度の志願者数÷合格者数(すべての入試の合計)です。

出典:神奈川大学公式「学部生数」、「収容定員充足率」(いずれも2026年5月1日現在)より教学舎が計算。

入学者のうち、一般選抜は約4割

もう一つ、併願を考えるうえで知っておいてほしい数字があります。2026年度に神奈川大学に入学した4,330人を、入試の種類別に分けると次のようになります。

入試の種類入学者(人)割合
一般選抜(共通テスト利用を含む)1,61637%
学校推薦型選抜(指定校推薦)1,56036%
総合型選抜1,05624%
その他(付属校など)982%

一般選抜で入学した人は約4割。残りの6割以上は、指定校推薦や総合型選抜など、年内に合格が決まる入試で入学しています。以前取り上げた明治大学(一般選抜68%)と比べると、一般選抜の割合はかなり小さい大学です。

学部ごとに見ても、一般選抜の割合は経営学部の43%から経済学部の31%まで、どの学部も半分に届きません。一方、総合型選抜は人間科学部で36%、理学部で34%と大きな割合を占めています。

学部一般選抜総合型選抜指定校推薦
法学部39%19%38%
経済学部31%22%46%
経営学部43%21%32%
外国語学部33%23%42%
国際日本学部37%28%34%
人間科学部38%36%23%
理学部40%34%26%
工学部38%23%36%
建築学部42%25%31%
化学生命学部41%20%35%
情報学部39%30%29%

つまり神奈川大学は、「一般選抜だけで勝負するより、年内の入試もうまく使ったほうがよい大学」です。そこで次に、神奈川大学ならではの2つの入試を紹介します。

出典:旺文社『螢雪時代特別編集 2027年度用 大学の真の実力 情報公開BOOK』入学者データ(1年次入試の方式別入学者数)より教学舎が計算。

マツダが注目する学部

△ 国際日本学部(みなとみらい)

4年÷1年は1.32と、神奈川大学でいちばん大きい学部です。4年生359人に対して1年生は272人で、この春の卒業で空く席が大きくなります。

さらに2026年度の入学者は268人で、入学定員の300人を大きく下回りました。2025年度に388人と多く取りすぎた反動で、2026年度に一気に絞った形です。来年は定員どおりに戻す余地が大きい学部だと考えています。ただし、2026年度の倍率は約5.6倍と神奈川大学でいちばん高く、人気のある学部です。

国際文化交流学科・日本文化学科・歴史民俗学科の3学科で、日本と世界の文化や歴史を学べます。横浜駅からも歩けるみなとみらいキャンパスで学べるのも魅力です。

△ 理学部(横浜)

4年÷1年は1.27。2026年度の入学者は259人で、入学定員の275人を下回りました。2025年度(356人)からは97人の減少です。

理学部は1つの理学科の中に、数学・物理・化学・生物・地球環境科学・総合理学のコースがあります。理系で「何を専門にするか、まだ決めきれない」という人にも検討しやすい学部です。

△ 情報学部・化学生命学部(横浜)

どちらも充足率は1.01〜1.02と、定員ぴったりに近い学部です。ただし、どちらも2023年度にできた新しい学部で、今の4年生が1期生のため、4年生が少なく「卒業で空く席」は小さめです。合格者が大きく増えることはありませんが、数字が安定している学部です。

注意したい学部

人間科学部:2026年度に入学者を増やした

人間科学部は2026年度に新しいカリキュラムにリニューアルし、入学定員も350人に変わりました。入学者は368人と、ほかの学部が減らすなか前年より51人増えています。4年生も1年生より少ないため、来年は今年並みか、やや控えめになると考えています。

工学部・建築学部:4年生が少ない

どちらも4年生が1年生より少なく、この春の卒業で空く席が小さい学部です。工学部は来年の充足率の目安が1.10ちょうど、建築学部も1.09で、合格者を増やす余地は大きくありません。

神奈川大学ならではの2つの入試

① 総合型選抜(適性検査型):学力試験で受けられる年内入試

「総合型選抜」というと、面接や小論文のイメージが強いかもしれません。神奈川大学の適性検査型は、ふつうの学力試験に近い形で受けられる年内入試です。

項目内容
試験科目国語または数学(100点)+英語(100点)
英語英検などのスコアを利用できる(当日受験した場合は高いほうを採用)
評定平均評定平均×10(50点)を加点。出願に評定の条件はなし
合計250点満点
他大学との併願できる(合格後の辞退も可)

2027年度入試の日程は次のとおりです。出願の締め切りが近いので注意してください。

項目日程
出願期間10月29日(木)〜11月5日(木)消印有効
試験日11月22日(日)横浜キャンパス
合格発表12月1日(火)
入学手続1次:12月14日(月)入学金/2次:1月26日(火)学費など

学科によっては、1限目が数学に限られます(経済データ分析学科、理学科の数学・物理コース、工学部の全学科)。また、2学科目までは検定料がかからず、複数の学科に出願しやすい仕組みです。

英検2級を持っている人に特に有利な入試で、具体的な点数の考え方は「神奈川大学を併願校に勧める3つの理由」の記事でくわしく紹介しています。

出典:神奈川大学「総合型選抜(適性検査型)」

② 給費生試験:合格すれば学費の大部分が給付される

給費生試験は、成績上位で合格すると、返す必要のないお金(給付)が4年間受けられる試験です。

学部給付額(年額・4年間)
法学部・経済学部105万円
経営学部・外国語学部・国際日本学部・人間科学部115万円
理学部・工学部・建築学部・化学生命学部・情報学部155万円

このほかに入学金相当額(20万円)も給付されます。自宅から片道2時間以上かかる人には、生活援助金(年70万円)もあります。毎年、継続のための審査があります。

項目日程・内容
出願期間11月25日(水)〜12月3日(木)消印有効
試験日12月20日(日)
会場横浜・みなとみらいのほか、全国の地区会場
試験科目3科目(学部・学科により異なる)
合格発表1月11日(月・祝)
入学手続1次:1月26日(火)入学金/2次:3月8日(月)学費など

給費生に選ばれなかった場合でも、成績によっては一般入試を受けずに入学できる「一般入試免除合格」が出ます。さらに、合格発表と同時に自分の科目ごとの得点も見られます。

12月20日は、私立大学の一般選抜より1か月以上早い時期です。本番前の力試しとして受けておくと、得点がわかる分、その後の勉強の目安にもなります。

出典:神奈川大学「給費生試験」(2027年度入試)

まとめ

  • 神奈川大学は大規模大学(収容定員17,340人)で、補助金のラインは1.10倍
  • 2025年度に入学者を多く取り(4,945人)、2026年度は615人減らして定員ぴったり(4,330人)に
  • 来年の充足率は大学全体で約1.06の見込み。2027年度入試で今年より絞る学部はほぼないと予想
  • 注目は、入学者が定員を下回り、卒業枠も大きい国際日本学部と理学部
  • 人間科学部・工学部・建築学部は、合格者が増える余地は小さめ
  • 入学者のうち一般選抜は約4割。総合型選抜(適性検査型)と給費生試験も併願の選択肢に

もちろん、併願校は数字だけで決めるものではありません。入試日程、科目、本人の得意不得意を組み合わせて「受かる併願」を組むことが大切です。

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前回の記事:【数字で見る併願ねらい目2026 #05】専修大学

「数字で見る併願ねらい目2026」は、このあと各大学を順番に取り上げていきます。次回もお楽しみに。

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